毎朝、私はコーヒーの香りと共に一日を始めます。それは単なるルーティンではなく、自分自身と向き合う大切な時間です。
この小さな習慣が、私にとってどれほど大きな意味を持っているのかを考えると、コーヒーの一杯には人生の小さな喜びが詰まっているのだと感じます。
私がコーヒーに目覚めたのは、学生時代に遡ります。
当時、深夜までの勉強や課題に追われていた私は、自然とカフェインの力を借りるようになりました。
しかし、あの頃はまだ、コーヒーの味や香りを楽しむというよりも、単なる「覚醒剤」としての役割が大きかったように思います。
どんなに苦いコーヒーでも、とにかく飲んで眠気を吹き飛ばすことが目的でした。
社会人になってから、私はコーヒーに対する見方が少しずつ変わっていきました。朝の通勤途中に立ち寄るカフェでの一杯が、ただのエネルギー補給ではなく、一日の始まりを心地よくするための儀式のようになったのです。
忙しい日々の中でも、この一杯だけは自分のためにじっくりと味わいたい。
そう思うようになってから、コーヒーが私にとって特別な存在になりました。
今では、自宅でもオフィスでも、様々なコーヒーを試すのが楽しみの一つです。
そして、その日飲んだコーヒーの味や香り、そしてそれがもたらした気持ちの変化を記録するようになりました。これが、私の「コーヒーノート」の始まりです。
コーヒーノートの記録方法
毎日、私はその日のコーヒーをノートに書き留めます。具体的には、次のような項目を記録しています。
豆の種類：どこの産地か、どの焙煎度合いか。
淹れ方：ドリップなのか、フレンチプレスなのか、それともエスプレッソマシンを使ったのか。
味わい：酸味が強いのか、苦味が際立つのか、後味はどうか。
香り：フルーティーな香りがするのか、ナッツのような香ばしさがあるのか。
その日の気分や体調：どんな気持ちで飲んだか、コーヒーがどのように気持ちに影響を与えたか。
このノートは単なる記録以上のものです。
それは、私自身の変化をも映し出す鏡のような存在です。
例えば、疲れている日は深いローストのコーヒーを選びがちで、逆にリラックスしている日は軽やかなフルーティーなコーヒーを好むことが多いです。コーヒーを通じて、自分の心と体の状態に気づくことができるのです。
日々の一杯が教えてくれること
コーヒーノートをつけ始めてから、自分の嗜好が少しずつ変わってきたことに気付きました。
以前は苦味が強いダークローストを好んでいましたが、最近では酸味が際立つ浅煎りのコーヒーに惹かれることが多くなりました。
特に、エチオピア産の豆で淹れたコーヒーは、その独特のフルーティーさと華やかな香りがクセになります。
また、淹れ方によっても味が大きく変わることを実感しました。同じ豆を使っていても、ドリップで淹れた場合とフレンチプレスで淹れた場合では、まったく異なる味わいが楽しめます。
この違いを楽しむことが、私の日常に彩りを与えてくれています。
さらに、コーヒーノートを振り返ることで、自分の気分や体調がどう変化しているのかも見えてきます。
例えば、ストレスが溜まっている時期は、苦味が強いコーヒーを好む傾向があることに気付きました。
反対に、リラックスしている時期は、酸味や甘みが感じられるコーヒーを選ぶことが多いです。コーヒーを通じて、自分自身の内面にも目を向けることができるようになったのです。
コーヒーノートがもたらす心のゆとり
日々の忙しさの中で、ほんの数分でもコーヒーと向き合う時間を持つことは、私にとって心のゆとりを与えてくれます。
コーヒーを丁寧に淹れる過程そのものが、瞑想のような効果をもたらしてくれるのです。
お湯を注ぐ時の音、蒸らしながら広がる香り、カップに注がれる液体の色合い。これらすべてが、私の心を落ち着かせてくれます。
特にお気に入りのカフェで過ごす時間は、私にとって最高のリフレッシュです。お気に入りの席に座り、窓から外を眺めながらコーヒーを飲む。
その瞬間、時間がゆっくりと流れるのを感じます。そんな時間があるからこそ、また頑張ろうと思えるのです。
コーヒーノートから広がるコミュニケーション
コーヒーノートをつけていると、自然とコーヒーについての話題が増えてきます。
友人や同僚とコーヒーについて話すと、「どんな豆を使ってる？」とか「どのカフェがおすすめ？」といった会話が弾みます。
コーヒー好き同士の会話は、共通の趣味を持つ者同士の絆を深める素晴らしい機会です。
また、最近ではSNSで自分のコーヒーノートをシェアするようにもなりました。
同じようにコーヒーを楽しんでいる人たちと情報を交換し合うことで、新しい発見や驚きがあり、さらにコーヒーへの興味が深まります。
コーヒーを通じて繋がる人々との出会いは、私にとって大切な宝物です。
まとめ：コーヒーノートを続ける理由
私にとって、コーヒーノートは単なる趣味以上のものです。
それは、自分自身と向き合うためのツールであり、日常の中で心のゆとりを持つための方法でもあります。
忙しい毎日の中で、ほんの一瞬でも立ち止まり、自分の気持ちや体調を感じ取ることができるのは、このコーヒーノートのおかげです。
これからも、日々のコーヒーを楽しみながら、このノートを続けていきたいと思います。コーヒーが教えてくれる小さな発見や喜びを、大切にしていきたい。
そして、その一杯一杯が、私の人生を豊かにしてくれるのだと信じています。
